上泉伊勢守ドラマ

2016.11.13 箕輪城二の丸で攻防戦

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13日午前は場所を大胡城址に変えて、上泉城を奪還する場面。午後はまた箕輪城へ戻り上泉城奪還の続きを撮影し、その後、夜10時過ぎまでかけて河越夜戦を撮りました。上泉城の奪還、武田との合戦、河越夜戦、短期間にさまざまな戦いのシーンを撮るので、エキトラの人たちは今、何の場面を撮影しているのか分からない人もいたのではないでしょうか。
 大胡城址の撮影では、神後と文五郎が上泉城に潜り込み城門の閂を開けると、満を持した伊勢守が入城します。地元、大胡町のエキストラも鬨の声を張り上げながら役者に交じって奮戦。伊勢守が入城すると、その後から長尾景虎(山田純大さん)が馬上から「伊勢守殿に続けー」と号令を掛け、「まさに、上州一本槍」と感嘆の声をあげます。
 あわただしく昼食を済ませ箕輪城址へ移動。日が沈むといよいよ夜戦の撮影です。普通、夜襲は月のない夜に行われると聞いていましたが、この日は満月。明日14日がスーパームーンなので見事な月が広い二の丸を照らしています。撮影にはかえって好都合かもしれません。
 場面は数千の兵がこもる...河越城からの夜襲を受け、約8万5千に膨れあがった関東管領・上杉憲正軍の陣営が引き下がるところです。二の丸には一昨日、夜中までかかって張られた「倉賀野」「上泉」「長野」の三つの陣幕が監督の「ヨーイ スタート」の声を待っています。
二の丸の林の奥から松明を掲げた北条の精鋭が倉賀野陣へ一気になだれ込み陣幕を中央突破。陣を照らしていたかがり火はけり倒され、雑魚寝をしていた兵たちは次々と倒される情景は凄味さえ感じます。夜の箕輪城に永禄年間の戦いがまさに再現されました。
このただならぬ気配を察した伊勢守は、素早く陣を引き裏手から辛くも長野業政(田中健さん)の陣まで逃げ延び、上杉憲正(岡田浩暉さん)に「撤退」という苦渋の選択を申し出ます。ぎりぎりの状況で覚悟を決めた伊勢守・業政と、対面に固執する憲正、迫真のやり取りも見逃せません。(写真は大胡城跡での撮影遠景)

■関連ファイル

2016.11.13 合戦が終わった二の丸に累々と広がる・・・

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合戦が終わった二の丸に累々と広がる・・・

2016.11.12 敵味方入り乱れ箕輪城で合戦

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いよいよ箕輪城での合戦シーンです。午前7時半、黒いサラブレッドにまたがる伊勢守が、箕輪城を駆け抜けます。まずは妻の病状悪化を聞いて駆けつける場面です。続いて甲冑を付けての疾走です。100メートル以上もある本丸を数秒で走ってしまいます。村上さんは久々の乗馬のため、特訓を受けてきたので乗馬姿も様になっています。
 戦わずに上泉城を明け渡した伊勢守は上杉謙信の支援を受けて自分の城を取り戻しに来る場面です。
「門を開けい! 我は上泉伊勢守秀綱。上泉城の主だ!」
 馬に乗った伊勢守は単身、城に乗り込み、槍をふるうと4、5人の敵兵をあっという間になぎ倒します。合戦の火ぶたは伊勢守によって切って落とされました。...
 さらに数日後、今度は箕輪城を攻める武田勢との大規模な合戦です。箕輪城本丸には上杉、武田、長野、上泉、倉賀野、毛呂の家紋入りの旗指物が何十本も整然と並んでいます。甲冑をまとった兵士が勢ぞろいすると、軍ごとにそれらの旗を背中に刺していきます。これがないと敵味方の区別がつかなくなるので、兵士の必須アイテムです。準備が整うと各軍の大将が馬に乗り、隊列を組んで、カメラに向かって整然と行進です。「右、左、右、左」。隊の前後の兵が「スタート」の合図で一斉に動くよう、助監督がありったけの声を出して師事します。
 合戦の撮影には高所作業車が用意されました。モニターを除くと迫力満点です。戦闘は敵味方、戦う相手を決めて始めます。こうしないとぶらぶら暇な人が出てしまうからです。
それまで大声を出していた金監督は、初めてハンドマイクを手に取り、細かな指示を出します。
「緊張感を持って、怪我をせずにやってください。そして笑わないこと。場の隙間をつくらず、カットの声が聞こえるまで動き続けてください!」「用意、スタート!」
 「カット」の声が掛かっても、本丸の奥の方ではまだまだ戦っています。組み合っている者、馬乗りになって刀を突き刺している兵の姿も。「カット、カット」。助監督が叫びながら兵士の間を走り回り、合戦場面はやっと静かになりました。
終わってみると旗指物が外れたり槍の穂先が折れたり、まさに本番さながらの戦いでした。

2016.11.12 合戦は高所作業車を使って撮られました。

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大胡城跡で撮影です。合戦は高所作業車を使って撮られました。

2016.11.10 強くて優しい伊勢守

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強くて優しい伊勢守

 10日は再び寒い中之条の富沢家です。この日は愛洲移香斎(勝野洋さん)から陰流の神髄を伝授されるシーンと、妻の小松が亡くなる場面が撮影されました。記録には妻の名前はどこにも見当たりませんが、小松や義綱が物語の人物としてドラマが展開することにより、強いばかりでなく優しい面を併せ持つ伊勢守の人間像が次第に輪郭を現してきます。

父の義綱(河原崎健三さん)は今でこそ高齢になっていますが、自らも移香斎に剣を教わっていたので、陰流を習う伊勢守の戸惑いが手に取るように分かります。成長をじっと見守りながら、剣と共に人間的にも成長していくことが分かると、家督を伊勢守に譲ります。
(写真は地元ボランティアによる炊き出し風景)

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